歯科矯正で下の歯だけ治療する費用は？部分矯正の料金相場まとめ

「下の歯のガタガタだけ、安く治せないかな？」
「下の歯を矯正したいけど、費用は一体いくらかかるの？」

このようなお悩みはありませんか？

下の歯だけの歯科矯正は、歯並び全体を治すよりも費用を抑えられ、短期間で完了できる可能性があります。

しかし、手軽に見える一方で、誰にでも適しているわけではなく、知らずに始めると「結局、全体矯正が必要になり余計な費用がかかった」といった後悔につながるリスクもあります。

そこで本記事では、下の歯だけの歯科矯正にかかる費用相場から、後悔しないためのポイントについて解説します。

下の歯だけの歯科矯正にかかる費用相場

下の歯だけの部分矯正にかかる費用は、治療法や歯並びの状態によって変動しますが、一般的には10万～50万円程度が目安です。これは、上下全体の矯正(約60万～120万円)と比較すると、費用を抑えられる可能性があります。

下の歯だけの部分矯正は、治療法によって費用や期間はさまざまです。主に以下の3つの選択肢があり、症例や希望に合わせて選ぶことになります。

治療方法	費用相場	治療期間	特徴
マウスピース矯正	15万～40万円	3～6ヶ月	目立ちにくい、取り外し可能
表側ワイヤー矯正	10万～30万円	6～12ヶ月	幅広い症例に対応、費用が安い
裏側ワイヤー矯正	30万～50万円	6～12ヶ月	外から見えない

全体矯正との違い

下の歯だけの部分矯正と全体矯正では、費用に2倍以上の差が生まれることも珍しくありません。部分矯正は治療する範囲が限られるため、使用する装置の数や治療期間を短縮できるからです。

ただし、見た目には軽度のズレでも、噛み合わせの改善を含めて全体的なバランスを整える必要があると診断された場合は、部分矯正が適応とならないことも知っておきましょう。

矯正範囲	費用相場	治療期間	対象となる症例
下の歯だけ（部分矯正）	10万～40万円	3～12ヶ月	軽度の歯並びの乱れ
上下全体（全体矯正）	60万～120万円	1～3年	噛み合わせの改善も必要な症例

追加費忘れずに確認したい追加費用

部分矯正の費用は治療費だけでなく、検査費用や調整料、保定装置費用なども含めて計算する必要があります。歯科医院によって料金体系が異なるため、総額でいくらかかるのかを事前に確認することが重要です。

• 精密検査・診断料：1万～3万円（レントゲン、歯型取りなど）
• 月次調整・管理料：3千円～5千円（ワイヤー矯正の場合）
• 保定装置（リテーナー）：2万～5万円
• 追加治療費：症例により変動
• 予期しない問題対応費：1万～5万円程度

例えば表側ワイヤー矯正で下の歯だけを治療する場合、装置代20万円＋検査費2万円＋調整料4千円×8回＋保定装置3万円＝約28万円が総額の目安となります。

歯科医院によっては、こうした費用をすべて含んだ「トータルフィー制度」を採用していることもあります。契約前に料金体系をしっかり確認しておくとよいでしょう。

月々の負担を抑える支払い方法

まとまった費用を一度に支払うのが難しい場合でも、分割払いや医療ローンを活用することで月々の負担を軽減できます。多くの歯科医院では院内分割やクレジットカード分割、医療ローン会社との提携サービスを用意しています。

• 院内分割：手数料なし～低金利、12回～24回が一般的
• クレジットカード分割：年利15％前後、支払い回数は選択可能
• 医療ローン：年利5％～8％程度、最長120回払いも可能
• デンタルローン：歯科治療専用、比較的低金利

当院が取り扱っているOh my teethのBasicプランでは、上下前歯に特化したマウスピース矯正を33万円の定額制で提供しています。月々9,800円×36回払いという分割も可能で、家計に無理のない範囲で治療を始められます。

「下の歯だけ」で歯科矯正できる人、できない人の違いは？

下の歯だけの部分矯正が可能なのは、「上下の噛み合わせに問題がないこと」が大前提となります。そのため、下の歯だけが気になっていたとしても、安定した噛み合わせを維持するために、上下両方の歯が治療の対象になることが多くあります。

下の歯だけ歯科矯正が可能なケース

• 上下の噛み合わせに問題がない
• 下の前歯1〜2本のわずかな重なりや隙間
• 軽度の傾き
• 過去の矯正治療で、少し後戻りしてしまった場合

基本的には、奥歯の噛み合わせが安定しており、前歯数本を少し動かすだけで見た目と機能が改善される症例に限られます。

全体矯正が必要になるケース

• 出っ歯、受け口、開咬（前歯が噛み合わない）など、噛み合わせ自体に問題がある
• 歯を並べるスペースが大きく不足しており、抜歯が必要な場合
• 歯並びの乱れが、顎の骨格に起因する場合
• 奥歯の噛み合わせから整える必要がある場合

見た目には下の歯だけの問題に見えても実は上の歯や奥歯、骨格からのアプローチが必要なケースが非常に多いのが実情です。自己判断は絶対にせず、必ず検査・診断を受けましょう。

下の歯だけ歯科矯正する3つのデメリット

私たちの歯は上下の歯がパズルのピースのように噛み合うことで、初めて正しく機能します。そのため、下の歯だけを動かすということは、そのパズルの片方だけを無理やり動かすようなもの。ここでは、下の歯だけ歯科矯正するデメリットを紹介します。

噛み合わせが悪化し、うまく噛めなくなる

見た目のガタガタだけを治そうと下の歯を動かした結果、これまでしっかり噛み合っていた上の歯とぶつかるようになり、奥歯で物が噛みにくくなることがあります。

噛み合わせの悪化は、食事がしにくいだけでなく、顎の関節に負担をかけて顎関節症を引き起こしたり、歯の寿命を縮めたりと、お口全体の健康を損なう深刻な問題につながる可能性があります。

すぐに後戻りして、再治療が必要になる

下顎の歯は、舌や唇の力の影響を受けやすいため、矯正後に「後戻り」しやすいという特徴があります。

無理な部分矯正で不安定な位置に歯を並べてしまうと、その傾向はさらに強まります。せっかく時間とお金をかけて綺麗にした歯並びが数年で元に戻ってしまい、結局再治療でさらに費用がかかってしまった…というケースは後を絶ちません。

途中で全体矯正に変更となり、余計な費用がかかる

治療を進める中で「思ったように歯が動かない」「噛み合わせに問題が出てきた」といった理由で、途中で部分矯正から全体矯正への切り替えが必要になることがあります。

この場合、当初の計画より治療期間が大幅に延びるだけでなく、追加で高額な費用が発生する可能性が非常に高いです。初めから全体矯正を選んでいれば、結果的に安く済んだということも十分にあり得ます。

まとめ

下の歯だけの部分矯正は、10万～50万円程度と全体矯正に比べて費用を抑えられ、治療期間も短いという大きなメリットがあります。しかし、その一方で適応できる症例は限られており、無理に行うと「噛み合わせの悪化」や「歯の後戻り」といった深刻なデメリットを引き起こす可能性も否定できません。

後悔しない治療を選ぶために重要なのは、自己判断せずに、まずは歯科医師による検査・診断を受けることです。

当院では無料検査を実施しております。レントゲン撮影などでお口全体の状況を詳しく確認し、あなたの歯並びが部分矯正で対応できるのか、あるいは全体的な治療が必要なのかを丁寧にご説明します。まずはお気軽にご相談ください。