全顎矯正
全顎矯正とは
全顎矯正とは、前歯だけでなく奥歯を含むすべての歯を対象に、歯並びと噛み合わせを改善する矯正方法です。「全体矯正」と呼ばれることもあります。見た目の美しさに加えて、咀嚼機能や噛み合わせのバランスを整えられるのが特徴です。当院では、この全顎矯正をマウスピース型矯正装置「インビザライン」で行っています。
インビザラインの特徴
- 世界的に信頼されるブランド
インビザラインは世界シェアNo.1のマウスピース矯正として、幅広い症例に対応してきた実績があります。 - 精密なシミュレーションによる治療計画
専用ソフトを用いて歯の動きを細かく設計できるため、治療の予測性が高い点が大きな強みです。 - 複雑な症例にも対応可能
前歯だけでなく奥歯の移動を伴う全顎的な矯正や、難症例に対しても適応できるケースがあります。
適応範囲
叢生(ガタガタの歯並び)/出っ歯(上顎前突)/すきっ歯(空隙歯列弓)/八重歯/受け口/前歯が閉じない/中心がズレている/噛み合わせが深い
※該当する歯並びであっても、マウスピース矯正の適応外と診断される場合があります。
全顎矯正のメリット・デメリット
全顎矯正のメリット・デメリットについて解説します。
メリット
- 噛み合わせまで改善できる
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前歯だけでなく奥歯も含めて動かすため、見た目だけでなく噛み合わせも整います。機能面と見た目の両方を同時に改善できることが全顎矯正の大きな魅力です。
- 幅広い症例に対応できる
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軽度の乱れから複雑な噛み合わせの問題まで、幅広い症例で治療可能です。部分矯正では難しいケースにも対応できる点が強みです。
- 長期的に安定性しやすい
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歯全体のバランスを考えて動かすため、治療後の後戻りが起きにくいのもメリットの一つです。噛み合わせが安定することで、虫歯や歯周病のリスク低減も期待できます。
デメリット
- 治療期間が長くなりやすい
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全体の歯を動かすため、部分矯正と比べて治療期間が長く、平均すると1年半〜3年ほどかかります。そのため、長期の通院や自己管理が負担に感じることがあります。
- 費用が高額になりやすい
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治療範囲が広いため、部分矯正よりも総額は高くなりやすいです。100万円前後の費用がかかることもあるため、事前に負担を理解しておく必要があります。
全顎矯正を行う場合の治療の流れ
全顎矯正は部分矯正よりも検査・治療計画が精密になり、治療期間も長くなります。初回診断~仕上げ・保定までの流れは以下のとおりです。
無料診断(適応チェック)
歯並びと噛み合わせを確認し、全顎矯正が必要かどうかを判断します。その後、治療にかかるおおよその期間や費用について説明します。
精密検査・3Dシミュレーション
レントゲンや口腔内スキャン、写真撮影を行い、歯をどのように動かすか分析します。シミュレーションでは、最終的な噛み合わせまで含めた治療のゴールを3Dで確認することが可能です。
治療開始(マウスピース装着)
必要に応じて治療開始前に事前処置を行います。その後、自宅に届くマウスピースを1〜2週間ごとに交換しながら、全体の歯を少しずつ動かしていきます。マウスピースの装着時間は原則1日20時間以上です。
経過を管理し、定期的に通院する
定期的に通院し、マウスピースが合っているか、歯が適切に動いているか確認を行います。治療の進み具合によっては調整が必要となる場合もあります。
※当院では、定期的に口腔内の写真をオンラインで共有していただき、進捗を確認する仕組みを導入しています。基本的に通院は不要ですが、マウスピースが合わなくなった場合やアタッチメント・顎間ゴムの調整が必要な際は来院していただきます。
仕上げ・保定(固定式/取り外し式)
歯並びと噛み合わせの調整が終わったら、リテーナー(保定装置)を使用して歯を固定し、後戻りを防ぎます。全顎矯正は歯の移動が大きい分、後戻りのリスクが高いため、保定を怠らないように注意することが大切です。症例に応じて固定式や取り外し式を選択し、定期的に安定性を確認します。
※当院では、最後に使用したマウスピースをリテーナーとして活用します。
当院の全顎矯正のプラン紹介
当院の全顎矯正は自由診療です。
Invisalign コンプリヘンシブ
- 対象:複雑な症例や長期的な矯正に対応
- 特徴:インビザラインの包括的設計で予測性を高める
- 費用イメージ:総額 88万円(税込)
当院では治療にかかるすべての費用を最初に提示する「トータルフィー制度」を採用しているため、基本的に追加費用はかかりません。ただし、以下のケースが生じた場合は追加料金が発生します。
- 後戻りによる再矯正
- マウスピースの破損・紛失
- 装着時間不足による再矯正
- リテーナーの購入
※分割払い可(審査あり)。支払回数・手数料は個別にご案内します。
事例紹介
症例は一例であり、結果・期間には個人差があります。写真は当院監修症例またはイメージを含みます。
Case 1|叢生(30代男性)


| 計画 | インビザライン アタッチメント/IPR 非抜歯 |
|---|---|
| 治療期間 | 約9か月 |
| 治療総額 | 88万円(税込) |
| 注意点 | 1日20時間以上のマウスピース装着が必須 リテーナーを最低1年間は1日20時間以上装着、その後徐々に着用時間を減らし、2年目以降は夜間のみ装着必須 |
| 治療のリスク | 虫歯・歯周病・ブラックトライアングル・歯根吸収・歯肉退縮・マウスピースによる痛みを感じる可能性・治療中に一時的に噛み合わせに不具合をきたす可能性 |
Case 2|すきっ歯・噛み合わせ(20代男性)






| 計画 | インビザライン アタッチメント/IPR 非抜歯 |
|---|---|
| 治療期間 | 約10か月 |
| 治療総額 | 88万円(税込) |
| 注意点 | 1日20時間以上のマウスピース装着が必須 リテーナーを最低1年間は1日20時間以上装着、その後徐々に着用時間を減らし、2年目以降は夜間のみ装着必須 |
| 治療のリスク | 虫歯・歯周病・ブラックトライアングル・歯根吸収・歯肉退縮・マウスピースによる痛みを感じる可能性・治療中に一時的に噛み合わせに不具合をきたす可能性 |
よくある質問(FAQ)
全顎矯正やインビザラインに関してよくある質問を紹介します。
- インビザラインとは何が他のマウスピースと違いますか?
-
インビザラインは、専用のソフトで歯の動きを細かくシミュレーションできる点が大きな違いです。結果を予測しやすく、治療の成功率が高いとされています。また、世界的No.1のシェア数を誇り、これまでのデータをもとづいて幅広い症例に対応できるのも強みです。
- 費用はいくらぐらいかかりますか?
-
全顎矯正は100〜120万円が相場とされています。ただし、使用する矯正装置や歯科クリニックによって料金に幅があります。当院では「インビザライン コンプリヘンシブ」を88万円(税込)でご案内しています。
- 治療期間はどれくらいかかりますか?
-
軽度の場合は半年〜1年ほど、中等度は1〜2年、重度では2〜3年以上かかる場合もあります。正確な期間は精密検査をしたうえでお伝えしますので、まずはお気軽にご相談ください。
- 痛みはありますか?
-
新しいマウスピースに交換した直後は、数日間ほど歯が押されるような痛みを感じることがあります。多くの方はすぐに慣れますが、不安がある場合は我慢せずご相談ください。調整や対応方法をご提案します。
- 通院はどのくらい必要ですか?
-
通院頻度は歯科クリニックによって異なります。一般的な目安は1〜2か月に1回程度です。
※当院ではオンライン管理を取り入れています。写真を送っていただいて経過をチェックし、必要なときだけご来院いただけます。
- 抜歯は必要ですか?
-
歯を並べるスペースが不足していたり、横顔のバランスを考えた場合に抜歯が必要になることもあります。
※当院では原則非抜歯での治療を提案しています。ただし、抜歯が必要な症例においては提携医院での抜歯をご案内することがあります。
- 食事や歯磨きのときはどうすればいいですか?
-
食事の際は必ずマウスピースを外してから食べてください。再装着前には歯をみがいて清潔に保つことが重要です。着色しやすい飲み物(コーヒー・ワインなど)は、装着中は避けると透明感を保ちやすくなります。
- 後戻りしますか?
-
矯正後にリテーナー(保定装置)を使わないと後戻りのリスクが高くなります。決められた期間、きちんとリテーナーを使用すれば、安定した歯並びを維持しやすくなります。また、舌のクセや口呼吸がある方は、リハビリ的なトレーニング(MFT)を併用するとさらに後戻りしにくくなります。
- 保険は使えますか?
-
成人矯正は基本的に保険がきかず、自費診療となります。ただし、生まれつきの顎の変形や口唇口蓋裂など特別な症例では保険が適用される場合があります。詳しくは歯科医師にご相談ください。
- 医療費控除は受けられますか?
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「噛み合わせを改善するために必要」と認められる場合は医療費控除の対象となります。見た目だけの目的の場合は対象外ですが、詳細は税務署や税理士に確認することをおすすめします。
免責・リスクに関して
- 矯正は自由診療のため、保険は適用されません。
- 治療期間・費用には個人差があります。
- 矯正中は歯の痛み・違和感が出ることがあり、虫歯や歯周病リスクもゼロではありません。
- 装着時間や通院ペースを守らないと、計画通りに歯が動かない可能性があります。