反対咬合（受け口）は自分で治せる？自力矯正がもたらす5つのリスクと正しい治し方を解説

鏡を見るたびに気になる、下のあごが少し前に出た受け口（反対咬合）。

「なんとか自分で、お金をかけずに治す方法はないかな？」そう考えて、インターネットやSNSで「受け口 自分で治す」「反対咬合 トレーニング」などと検索している方も多いかもしれません。

しかし、自己判断による矯正は、歯やあごに深刻なダメージを与え、今よりも症状を悪化させてしまう危険性が高いです。

この記事では、なぜ反対咬合を自分で治すのが危険なのか、その理由と歯科医院での治療法を解説します。

反対咬合（受け口）は自力では治せません

結論からお伝えしますが、反対咬合（受け口）を自力で治すことは不可能です。

受け口の主な原因は、ご自身でコントロールすることが難しい「あごの骨格」や「歯の傾き」にあるためです。

下あごが上あごよりも大きい、あるいは前に出ている。など、あごの骨の大きさや位置のバランスが原因のケースなどが挙げられます。

また、骨格に大きな問題はないものの、下の歯が前方に傾いて生えているケース。

これらは遺伝的な要因が関係することもあれば、幼少期の指しゃぶりや舌で歯を押す癖などが影響して後天的に生じることもあります。

ご自身で無理に力を加えると、かえって歯やあごを痛めてしまう可能性も考えられます。

「自分で治す」が危険な理由

インターネット上には「舌トレーニングで受け口が治る」「割り箸を噛んで改善」といった情報が見られますが、これらは非常に危険な行為です。

舌トレーニングやMFTは「治す」ためのものではない

正しい舌の位置を覚えるトレーニング(口腔筋機能療法：MFT)は、歯科医院でも行われる有効な方法です。しかし、これは主に「口呼吸や舌の癖を改善し、症状の悪化を防ぐ」「矯正治療後の後戻りを防ぐ」ことを目的としています。

MFTだけで骨格や歯並びそのものを動かして「治す」ことはできません。自己流で行うと、かえって間違った筋肉の使い方を覚えてしまう可能性もあります。

指で押す、割り箸を噛むなどは危険行為

指やスプーンで歯を押す、割り箸を奥歯で噛むといった行為は、大変危険です。

一時的に前歯が動いたように感じられるかもしれませんが、奥歯や顎関節に不自然で過剰な力がかかってしまいます。これを続けると、あごの痛みや口が開きにくくなる顎関節症を引き起こす可能性があります。

また、歯の根が短くなったり、歯ぐきが下がってしまったりするなど、お口の健康を大きく損なうことにつながりかねません。

これらの行為は、百害あって一利なしです。絶対にやめましょう。

反対咬合（受け口）を放置するデメリット

「治療は大変そうだし、このままでもいいかな…」と考えている方もいるかもしれません。しかし、反対咬合を放置すると、見た目以外にもさまざまな悪影響が出てくる可能性があります。

• 前歯で食べ物を噛み切れず、消化不良の原因になる
• 「サ行」や「タ行」が発音しにくくなる
• 歯並びが悪い部分は歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病のリスクが高まる
• あごに不自然な力がかかり続け、顎関節症になるリスクが高まる
• 年齢と共に下あごの突出が目立つようになる

治療を始めるのに「遅すぎる」ということはありませんが、年齢が若いうちの方が歯が動きやすく、治療期間が短く済む傾向にあります。

歯科医院で行う反対咬合(受け口)の治療法

自力での改善が難しい反対咬合ですが、歯科医院では専門的なアプローチで治療を進めます。代表的な治療法は「マウスピース矯正」「ワイヤー矯正」「外科矯正」の3種類です。

ご自身の症状やライフスタイル、価値観に合った方法を見つけるために、それぞれの特徴を比較してみましょう。

	マウスピース矯正	ワイヤー矯正	外科的矯正
見た目	透明で目立ちにくい	金属の装置が目立つ	矯正装置＋外科手術
適応症例	軽度～中等度の歯性	軽度～重度の歯性・骨格性	重度の骨格性
費用の目安	約3万0～100万円	約70万～120万円	約150万～300万円（保険適用の場合あり）
平均治療期間	約3ヶ月～2年	約2～3年	約2～3年
痛みの感じやすさ	比較的少ない	調整後に痛みが出やすい	手術後の痛みや腫れがある
通院頻度	1～3ヶ月に1回程度	月に1回程度	定期的な通院が必要
メリット	・取り外して食事ができる・衛生的・通院回数が少ない傾向	・幅広い症例に対応可能・確実性が高い・自己管理が不要	・顔貌の改善が期待できる・噛み合わせを根本から治せる
デメリット	・自己管理が必要・重度の症例は非対応	・見た目が気になる・歯磨きがしにくい・口内炎ができやすい	・入院が必要・身体的、金銭的負担が大きい

自分に合う治療法を選ぶためには、まずは「無料カウンセリング」で正確な診断を受けることです。自分の受け口が「歯性」なのか「骨格性」なのか、どの治療法が適しているのかを専門家に診断してもらいましょう。

「仕事柄、目立たない方法が良い」「費用を抑えたい」「できるだけ短期間で終えたい」など、治療において何を優先したいかを明確にし、カウンセリングで歯科医師に伝えることが重要です。

当院では、無料カウンセリングを実施しております。お口の状態を拝見し、治療の必要性や適切な方法について丁寧にご説明いたします。無理に治療をおすすめすることはありませんので、まずはお悩みや疑問に思っていることをお話ししに、どうぞお気軽にご来院ください。

まとめ

割り箸を噛む、指で歯を押すといった自己流のケアは、症状を悪化させるリスクがあり、絶対に避けるべきです。反対咬合の原因は、ご自身ではコントロールできない骨格や歯の傾きにあるため、根本的な改善には専門的なアプローチが欠かせません。

放置すると、見た目の問題だけでなく、咀嚼や発音、虫歯リスクなど、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

歯科医院では、症状の程度に応じてマウスピース矯正やワイヤー矯正など、様々な選択肢があります。後悔しない治療を選ぶためには、まず精密検査でご自身の受け口の原因を正確に把握し、ライフスタイルや希望に合った治療法を歯科医師と相談することが重要です。

「自力で直したいけれど限界を感じる」という方は、まず当院の無料診断を受けて自分の症状と最適な治療法を把握してみましょう。