
「前歯だけをきれいに整えたい」「全体矯正は費用がかさみそうだから、前歯だけでなるべく安く済ませたい」
こうした理由で、前歯のみの矯正を検討する方は少なくありません。
一方で、前歯だけの矯正は治療できる範囲が限られる分、費用がケースによって変わりやすく、「想定していた金額と違った」「後から追加料金が発生した」といった声も多く聞かれます。
本記事では、全国の矯正経験者457人に実施した独自アンケートの結果も交えつつ、前歯だけを矯正する際の費用相場や、費用を抑えるコツ、注意しておきたいポイントまで、わかりやすく解説します。
前歯のみの矯正を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
前歯だけの矯正の値段相場は「20万~40万円」

前歯のみの矯正は動かせる範囲が限られているため、全体矯正に比べて費用を抑えやすい傾向があります。
実際の治療費を見ると、中心となる価格帯は20万〜40万円ほどです。なかでも20万〜30万円に収まるケースが特に多く、前歯だけ矯正の一般的な相場といえるでしょう。
アンケート結果「マウスピース矯正範囲と費用の分布」
| 1~2本 | 上の前歯だけ(3本以上) | 下の前歯だけ(3本以上) | 上下の前歯(奥歯は動かしていない) | 総計 | |
| 10万円未満 | 23名 | 6名 | 0名 | 5名 | 34名 |
| 10~20万円未満 | 8名 | 15名 | 1名 | 4名 | 28名 |
| 20~30万円未満 | 12名 | 21名 | 5名 | 12名 | 50名 |
| 30~40万円未満 | 6名 | 16名 | 4名 | 10名 | 36名 |
| 40~60万円未満 | 3名 | 5名 | 9名 | 10名 | 27名 |
| 60~80万円未満 | 0名 | 0名 | 1名 | 5名 | 6名 |
| 80~100万円未満 | 1名 | 3名 | 0名 | 8名 | 12名 |
| 100万円以上 | 3名 | 1名 | 3名 | 5名 | 12名 |
| 総計 | 56名 | 67名 | 23名 | 59名 | 205名 |
【調査概要】
対象:過去に矯正治療を受けた方 457名のうち、部分矯正を受けた205名
調査方法:オンラインアンケート調査
調査期間:2025年11月27日
しかし、「前歯だけ」といっても、治療内容が一律とは限りません。動かす歯の本数や傾きの程度、噛み合わせへの影響などによって、必要な処置や治療範囲は変わります。
そのため、相場だけで判断するのではなく、「どこまで歯を動かす治療なのか」を踏まえたうえで費用を確認することが大切です。ここからは、治療範囲ごとの目安を整理していきましょう。
前歯1~2本のみ:10万円前後
気になる前歯を1〜2本だけ狙って矯正する場合、費用の目安はおおよそ10万円前後です。
対象となるのは、ズレがごく軽い場合やわずかな傾き程度に限られ、歯を大きく動かす必要がないケースが中心となります。
また、独自アンケートでも、費用が10万円未満だった方の多くが「前歯1〜2本のみ」を矯正したと回答しており、費用を最小限に抑えられるのはこの範囲に限られることが分かります。

ただし、この費用感で治療できるのは、あくまで一部の限られたケースにとどまります。歯の位置関係や噛み合わせに少しでも影響が出る場合は、治療範囲が広がり、それに伴って費用も一段階上がると考えておくのがよいでしょう。
上の前歯だけor下の前歯だけ:20万〜40万円
前歯を3本以上動かす場合の費用目安は、20万〜40万円ほどです。この価格帯が、いわゆる「前歯だけ矯正」のボリュームゾーンといえます。
上の前歯のみであれば、見た目の改善を目的とした治療が多く、軽度のガタつきやすきっ歯であれば、この範囲に収まるケースが一般的です。
一方で下の前歯は歯が並ぶスペースが不足しやすく、動かすための余地づくりや噛み合わせの調整が必要になりやすい分、費用が40〜60万円に近づく傾向があります。同じ「前歯だけ」でも、上下で費用感に差が出るのはこのためです。

上下の前歯:20万〜40万円(※40万円を超えるケースも多い)
上下の前歯を同時に動かす場合でも、噛み合わせの調整がほとんど必要ないケースであれば、費用は20万〜40万円前後で収まることがあります。
一方、上下を同時に動かすと、前歯同士の当たり方だけでなく奥歯との関係まで調整が必要になることも。その場合は治療設計が一段階複雑になり、費用が40万円以上になるケースもあると考えておきましょう。

上下の前歯矯正では、どこまでの調整が入る治療なのかを事前に確認することが重要です。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正では、マウスピース矯正が安くなる傾向あり
前歯だけの矯正では、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正のほうが、費用を抑えられるケースが多い傾向にあります。これは治療の良し悪しではなく、進め方や料金の仕組みに違いがあるためです。
ワイヤー矯正は、歯1本ずつに装置を取り付け、定期的にワイヤーを調整しながら歯を動かしていきます。そのため、前歯のみの治療でも装置の装着・調整・撤去などの工程が増えやすく、通院回数や管理コストがかさみやすい点が特徴です。
一方、マウスピース矯正は、開始時に歯の動きをまとめて設計し、計画に沿って段階的に歯列を整えていきます。前歯のみなど治療範囲が限られるケースでは移動量が少なく、必要なマウスピースの枚数も抑えやすいため、全体のコスト構造が比較的シンプルになりやすいのです。
ただし、噛み合わせの調整が必要な場合や歯の傾きが大きいケースでは、マウスピース矯正でも費用が高くなることがあります。「マウスピース=必ず安い」と決めつけず、自分の歯並びが適応になるかを診断で確認することが大切です。
前歯だけの矯正ができるケースとできないケース
前歯だけの矯正は、症例が合致すれば費用や治療期間を抑えやすい方法です。ただし、どのような歯並びでも前歯のみで改善できるわけではありません。
ここからは、Oh my teeth(マウスピース矯正)を使って実際に治療したケースを交えながら、「前歯だけで対応できる可能性が高い症例」と「前歯だけでは対応が難しいケース」を整理していきます。
① 軽度のガタガタ・乱杭歯(叢生)

【できるケース】
前歯同士が少し重なっている程度で、大きく歯を動かさなくてもよい場合は、前歯だけの矯正で対応できることがあります。見た目のガタつきが前歯に集中していて、奥歯の噛み合わせが安定しているケースは適応になりやすいです。
【できないケース】
歯の重なりが強く、歯列全体にスペース不足がある場合は、前歯だけを動かしても根本的な改善につながりません。その場合は、奥歯の位置調整や抜歯を含めた全体矯正が必要になることがあります。
② 軽度のすきっ歯(空隙歯列)

【できるケース】
前歯の隙間が小さく、歯列全体のバランスに大きな影響が出ていない場合は、前歯だけの矯正で隙間を閉じられることがあります。見た目の印象を整える目的で選ばれやすい症例です。
【できないケース】
歯と歯の隙間が大きい場合や、歯の大きさと顎のバランスに課題がある場合は、前歯だけを動かしても隙間が再発しやすくなります。このようなケースでは、噛み合わせ全体を踏まえた治療が必要です。
③ 軽度の出っ歯(上顎前突)

【できるケース】
前歯の傾きが軽度で、骨格的な問題が見られない場合は、前歯の角度を整えるだけで見た目を改善できることがあります。こうしたケースでは、前歯のみの矯正が選択肢になり得ます。
【できないケース】
顎の骨格が原因で前歯が突出している場合や、奥歯の噛み合わせにズレがある場合は、前歯だけを下げても改善が不十分になりやすいです。このようなケースでは、部分矯正だけでの対応は難しくなります。
④矯正後の「後戻り」
【できるケース】
過去に矯正治療を受けたことがあり、前歯だけが後戻りしてしまったケースは、前歯矯正の適応になりやすい傾向があります。歯の動きがある程度予測できるため、比較的シンプルな治療で済むことも多いです。
【できないケース】
後戻りに加えて噛み合わせ全体まで崩れている場合は、前歯だけを整えても再発しやすくなります。そのため、再矯正として全体的な治療が必要になることが多いです。
前歯だけの矯正で後悔しないためにチェックしたい3つのポイント

前歯だけの矯正は、条件が合えば費用や治療期間を抑えやすい一方で、選び方を間違えると「思っていたのと違う」と感じやすい治療でもあります。
後悔を防ぐためにも、安さだけで判断せず、次の3点は必ず確認しておきましょう。
① 前歯だけの矯正に適応するか、専門家に相談する
見た目だけだと「前歯だけで何とかなりそう」と思えるケースでも、実際には噛み合わせや奥歯とのバランスが原因になっていることがあります。
こうした場合、前歯だけを動かすと仕上がりで噛み合わせが悪化したり、後戻りしやすくなったりする可能性があります。
前歯だけの矯正で後悔しないためには、矯正治療の症例実績が豊富な歯科医師に適応を判断してもらうことが重要です。
ここでいう専門家とは、「日本矯正歯科学会」が定める基準を満たした「認定医」など、矯正治療を専門的に学び、一定の症例経験を有する歯科医師を指します。必須条件ではありませんが、判断材料の一つとして参考になります。
近年では、本来は前歯だけの矯正が向かないケースでも無理に治療を進めてしまい、「思うように改善しなかった」「噛み合わせに違和感が出た」といったトラブルにつながる例も見られます。
自分の歯並びや噛み合わせの状態を正しく把握したうえで、適した治療法を選びましょう。
② 治療方法と治療範囲が本当に自分に合うか、複数院で見比べる
前歯だけの矯正といっても、動かす歯の本数や治療方針はクリニックごとに異なります。
同じ「前歯だけ」の治療でも、1〜2本だけを調整する場合もあれば、噛み合わせまで考慮してもう少し広い範囲を動かす提案をされる場合もあります。
さらに、治療方法も一種類ではありません。マウスピース矯正とワイヤー矯正では得意とする歯並びや仕上がりの考え方が違うため、どちらか一方だけで判断してしまうのは注意が必要です。
前歯だけの矯正を検討している場合でも、マウスピース矯正・ワイヤー矯正の両方を提示してもらい、比較したうえで選ぶことが後悔を防ぐポイントになります。
もしマウスピース矯正を希望されるなら、名古屋名駅矯正歯科の無料診断がおすすめです。無理な勧誘は一切ありませんので、「前歯だけの治療だと費用はいくらになるのか知りたい」という段階でも、気軽にご相談ください。
③ 治療後まで含めた「総額」を必ず確認する
前歯だけの矯正は、表示されている治療費だけを見ると安く感じやすい治療です。しかし実際には、矯正が進む中や治療後に別途費用がかかるケースも少なくありません。
特に、次のような費用が治療費に含まれているかどうかは、事前に必ず確認しておきたいポイントです
- 調整料・管理料
- 通院ごとの診察料
- 保定装置(リテーナー)代
- 保定期間中の通院費
これらが別料金の場合、最初に聞いていた金額よりも総額が大きく膨らむことがあります。
「治療費は安かったのに、結果的に高くなった」と後悔しないためには、矯正終了後の保定期間まで含めて、最終的にいくらかかるのかを契約前に明確にしておくことが大切です。
名古屋名駅矯正歯科では、矯正前から保定期間までの総額をあらかじめ提示する「トータルフィー制」を採用しています。追加費用がないので、お支払いに関する不安がある方におすすめです。
前歯だけの矯正は、条件が合えば費用を抑えやすい!まずは診断へ
前歯だけの矯正は、症例によっては費用を抑えつつ歯並びを整えられる、魅力的な選択肢です。ただし、無理に部分矯正を選んでしまうと、次のような後悔につながる可能性もあります。
- 安さに惹かれて契約したものの、想定通りに歯が動かなかった
- 安いと思っていたら追加費用が発生し、予算を大きく超えてしまった
- 無理のある治療計画で進めた結果、結局矯正をやり直すことになった
こうした失敗を避けるためにも、最初の診断が欠かせません。治療範囲・費用・期間をきちんと確認したうえで、自分に合った治療方法を選びましょう。