マウスピース矯正は「目立たない」「通院が少ない」といった利便性から人気を集めていますが、実際にはメリットばかりではありません。
装着時間の制約や費用負担、日常生活への影響など、事前に理解しておかないと後悔につながるポイントもあります。
この記事では、マウスピース矯正のデメリットや費用面の注意点、日常生活に及ぼす影響、さらに失敗しないクリニック選びの基準まで徹底解説します。
治療を検討している方は、自分に本当に合った方法かどうかを見極める参考にしてください。
マウスピース矯正とは?基本的な特徴と限界

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を使って歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。
装置が目立ちにくく取り外しも可能なため、従来のワイヤー矯正に比べて見た目や生活への負担が軽い点が大きな魅力ですが、すべての症例に対応できるわけではありません。
ここでは、マウスピース矯正の効果が期待できるケースの特徴と限界について見ていきましょう。
軽度から中程度の歯列不正に効果的な治療法
マウスピース矯正は、前歯の軽いガタつきや隙間、軽度の出っ歯などを改善するのに効果的です。
歯を動かす量が少ない症例では、短期間で整えられることもあり、審美的な改善を希望する方に適しています。
一方で、大きな歯の移動や骨格的な問題には不向きなため、適応できる範囲を理解しておくことが大切です。
重度の歯並び・骨格的問題には適応外
マウスピース矯正は、歯を少しずつ動かす仕組みのため、大きな歯列不正や骨格的なズレを伴う症例には適していません。
例えば、歯の重なりが大きい叢生(そうせい)や顎の骨格に起因する出っ歯・受け口などはマウスピースだけでの治療が難しく、ワイヤー矯正や外科的治療を併用しなければいけません。
仮に、適応範囲を超えてマウスピース矯正を選んでしまうと、治療が長引いたり、最終的に十分な結果が得られなかったりするリスクがあります。
そのため、治療を始める前に精密検査で「自分の症例がマウスピースで本当に治せるか」を見極めることが重要です。
マウスピース矯正の5つのデメリット

マウスピース矯正は「目立たない」「取り外せる」といったメリットがある一方で、注意しておきたいデメリットも存在します。
ここでは、代表的な5つのデメリットを解説します。
デメリット(1)適応症例が限定される
マウスピース矯正は万能な治療ではなく、前歯の軽度なガタつきや隙間などに効果的な反面、歯列全体の大きなズレや噛み合わせの根本的な改善には向いていません。
例えば、歯を大きく動かす必要がある場合や骨格的な問題を伴う場合は、ワイヤー矯正の方が確実性があります。
マウスピース矯正を選んだものの、最終的にワイヤー矯正へ切り替えになり、結果的に時間や費用が余計にかかってしまうケースもあるのです。
そのため、治療前に「自分の症例が本当にマウスピース矯正で対応できるのか」を歯科医師にしっかり確認することが欠かせません。
デメリット(2)1日20〜22時間の装着が必須
マウスピース矯正では、装置を外している時間が長いと治療計画どおりに歯が動かず、矯正効果が得られません。
食事や歯磨きの際には取り外せますが、それ以外の時間(1日22時間以上)は常に装着しておく必要があるため、自己管理が苦手な方には大きな負担となることがあります。
装着時間を守れなければ治療が長引いたり、思ったような仕上がりにならなかったりするリスクが高まるため、「ほとんど一日中つけていられるかどうか」が成功の鍵となるのです。
デメリット(3)自己管理の徹底が治療成功の鍵
マウスピース矯正は、患者自身の協力が欠かせない治療です。
装着時間を守るだけでなく、食後にしっかり歯磨きをしてから再装着することや、マウスピース自体を清潔に保つことも必要になります。
これらを怠ると、むし歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、マウスピースが変形・着色して見た目が悪くなったり、計画通りに歯が動かなくなったりする可能性も。
装着時間の徹底に加え、口腔ケアも日々の自己管理を徹底できるかどうかが治療成功の大きな分かれ目といえるでしょう。
デメリット(4)計画通りに進まない可能性
マウスピース矯正は、治療開始時にシミュレーションを行い、歯の動きを段階的に計画します。
しかし、実際の歯の動きはシミュレーション通りにいかないことも少なくありません。
例えば、装着時間が不足していたり、歯の動きに個人差があったりすると、計画との差が生じ、治療期間が延びたり、費用が増えたりするリスクがあるのです。
矯正治療は必ず予定通りに終わるとは限らないことを理解し、多少の微調整が生じる可能性を踏まえて治療を進めましょう。
デメリット(5)マウスピース紛失・破損リスク
マウスピースは取り外しができる便利な装置ですが、その分「紛失」や「破損」のリスクもつきまといます。
特に外食先で外したまま忘れてしまったり、ペットに噛まれて壊れてしまったりといったトラブルは意外と多いです。
紛失や破損が起これば、再製作に時間と費用がかかり、その間に治療が中断して計画通りに進まなくなる可能性もあります。
さらに、再製作の費用が追加で発生する場合もあり、追加の経済的な負担につながる点も要注意です。
装着時間の徹底と口腔ケアに加え、「装置をきちんと保管できるかどうか」も重要な条件となります。
マウスピース矯正の費用面で知っておきたいリスク

マウスピース矯正は目立ちにくさや通院回数の少なさといったメリットがある一方で、費用に関するリスクを見落とすと後悔につながることがあります。
ここでは、費用面で知っておきたい代表的なリスクを整理して解説します。
総額30万円〜100万円の経済的負担
マウスピース矯正は、部分矯正なら30万円前後から始められる一方で、全体矯正では60万円〜100万円と高額になることが多い治療法です。
さらに、症例の難易度や治療期間によっては追加費用がかかることもあり、最終的な負担は想定以上にふくらむケースも少なくありません。
保険適用外による全額自己負担
マウスピース矯正は基本的に美容目的とされるため、健康保険は適用されず全額自己負担です。
ただし、顎変形症など一部の特定疾患に該当する場合のみ、大学病院などで外科矯正と組み合わせて保険適用となるケースがあります。
しかしこれはごく限られた症例であり、多くの人にとっては対象外です。
そのため、マウスピース矯正を検討する際は「保険が効かない=費用はすべて自己負担」と理解しておくことが重要といえます。
追加治療・再製作による想定外費用
マウスピース矯正は計画通りに進まない場合、再度シミュレーションを行い、追加でマウスピースを作り直すことがあります。
この「再製作」になると数万円〜十数万円の費用が発生するケースも多いです。
また、治療の途中で虫歯や歯周病が見つかれば、その治療費も別途必要になります。
さらに、噛み合わせをより精密に整えるためにワイヤー矯正へ移行する場合は、数十万円規模で追加費用がかかることも。
こうした想定外の出費を避けるには、契約前に「追加費用の有無」「再製作や再治療時の対応」を明確に確認しておくことが大切です。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の費用・効果の違い
マウスピース矯正は部分矯正で30万〜50万円(3〜6ヶ月)、全体矯正では60万〜100万円(6ヶ月〜1年)が費用と期間の目安です。ワイヤー矯正は60万〜150万円かかり、治療期間も1〜3年と長期にわたります。
治療方法ごとの費用や適応範囲を整理すると、以下のようになります。
| マウスピース(部分) | マウスピース(全体) | ワイヤー矯正 | |
| 費用相場 | 30万〜50万円 | 60万〜100万円 | 60万〜150万円 |
| 治療期間 | 3〜6ヶ月 | 6ヶ月〜1年 | 1〜3年 |
| 適応症例 | 軽度の前歯 | 軽度〜中程度 | 軽度〜重度 |
| 費用対効果 | 高 | 中 | 中〜高 |
マウスピース矯正は「目立たない」「通院回数が少ない」などのメリットがある一方、重度の不正咬合には対応できません。
対してワイヤー矯正は見た目や痛みの負担はあるものの、幅広い症例に対応できる点が強みです。
費用対効果を比較する際は、金額の大小だけでなく「自分の症例に合っているか」「治療後の安定性を見込めるか」を重視して判断すると良いでしょう。
日常生活への影響と身体的リスク

マウスピース矯正は見た目の自然さや通院負担の少なさが魅力ですが、治療を始めてみると日常生活に思わぬ影響が出ることもあります。
ここでは、代表的な影響とリスクについて整理しておきましょう。
装着初期の痛み・違和感の継続期間
マウスピース矯正を始めた直後は、多くの人が歯の動きによる痛みや違和感を感じます。
特に装着から数日〜1週間程度は、歯が押されるような圧迫感や噛みにくさが目立つでしょう。
ただし、この不快感はずっと続くわけではありません。歯や歯茎が徐々に矯正装置に慣れるにつれて軽減していき、多くの場合1〜2週間以内に落ち着きます。
食事制限と口腔ケアの手間増加
マウスピース矯正では、食事のたびに装置を外す必要があります。
マウスピースを装着したまま飲食すると変形や着色の原因になるため、水以外を口にするときは必ず取り外さなければなりません。
さらに、食後は歯とマウスピースの両方を清潔に保つ必要があり、ブラッシングや洗浄を怠ると虫歯や口臭のリスクが高まります。
このように「食べる→外す→磨く→装着する」という流れを毎回繰り返すことになるため、普段から間食や飲み物を頻繁に口にする人には煩わしさを強く感じやすいでしょう。
発音への影響とアタッチメントの見た目
マウスピース矯正では、装着初期に舌の動きが制限されるため、特にサ行やタ行などで滑舌が悪くなることがあります。
多くの場合は数日〜数週間で慣れますが、仕事や日常生活で人と話す機会が多い人にとっては負担に感じやすい点です。
また、歯を効率よく動かすためにアタッチメントと呼ばれる小さな突起を歯に装着するケースがあります。
透明なマウスピース自体は目立ちにくいものの、アタッチメントは光の当たり方によって見えることがあり、「完全に目立たない矯正」とは言い切れません。
見た目を重視してマウスピース矯正を選んだ人ほど、この点にギャップを感じやすいため、事前に理解しておくことが重要です。
歯茎炎症・アレルギー反応の可能性
マウスピース矯正は取り外しができるため衛生的と思われがちですが、清掃を怠ると歯とマウスピースの間に汚れがたまり、歯茎が炎症を起こす原因になります。
特に長時間装着したまま飲食を繰り返すと、細菌の繁殖リスクが高まりやすい点に注意が必要です。
また、ごく稀ではありますが、マウスピースに使われる樹脂素材にアレルギー反応を示す人もいます。
かゆみや赤み、腫れなどの症状が出た場合は、すぐに使用を中止し歯科医師に相談しなければなりません。
こうした身体的リスクは発生頻度こそ低いものの、事前に把握しておくことで早期に対応でき、治療の中断や健康被害を防ぐことにつながります。
失敗しないクリニック選び5つのポイント

マウスピース矯正の成否は、装置そのものよりも「どのクリニックを選ぶか」に大きく左右されます。
ここでは、治療を後悔しないために確認しておきたいクリニック選びのチェックポイントを5つ紹介します。
適応症例を正確に診断する技術力
マウスピース矯正は、軽度〜中程度の症例に効果的ですが、重度のガタつきや骨格的な問題がある場合は適応外となります。
そのため、治療を始める前に「本当にマウスピース矯正で対応できるのか」を正確に診断できる技術力が重要です。
例えば、口腔内スキャナーやCT撮影による詳細な検査、さらには担当する医師の治療実績などがあるとより安心感が増すでしょう。
追加費用なしの明確な料金体系
マウスピース矯正は、治療開始後に追加費用が発生するケースが少なくありません。
例えば、想定より歯の動きが遅れた場合の追加アライナー作製や、治療途中での計画変更などです。こうした想定外の出費があると、総額が大幅に膨らんでしまうこともあります。
そのため、契約前に「追加費用は発生するのか」「すべて込みのトータルフィー制度なのか」を必ず確認することが大切です。
明確な料金体系を提示しているクリニックであれば、治療後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクを減らせます。
24時間LINEサポートの充実度
マウスピース矯正では、治療中に「装置が合わない」「痛みが強い」「マウスピースを破損した」といったトラブルが起こることがあります。
こうした時にすぐ相談できるサポート体制が整っているかどうかは、安心して治療を続けられるかを左右する重要な要素です。
特に、24時間いつでも相談できるLINEサポートを導入しているクリニックなら、診療時間外でも不安を解消できます。
通院の手間を減らしながら安心感を得られるため、忙しい社会人や遠方から治療を受ける人にとって大きなメリットとなるでしょう。
Oh my teeth(オーマイティース)は、24時間LINEサポートを提供しています。
困ったときにすぐ専門スタッフへ相談できる体制が整っているため、初めて矯正に挑戦する人でも安心して治療を続けられます。
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日本矯正歯科学会の認定医・臨床指導医が在籍している
矯正治療は歯科医師なら誰でも行えますが、経験や技術に差があるので、よく確認するのがおすすめです。
中でも日本矯正歯科学会の「認定医」や「臨床指導医」は、専門性を証明する資格であり、在籍しているクリニックは信頼度が高いといえます。
これらの資格を持つ歯科医師が治療に関わることで、診断の精度や治療計画の妥当性が高まり、リスクを減らすことができます。
矯正を検討する際は、公式サイトやカウンセリングで資格の有無を必ず確認しましょう。
治療を続けられなくなったときの保証があるか
マウスピース矯正は数ヶ月から数年にわたる治療になるため、引っ越しやライフスタイルの変化によって途中で通院できなくなるケースもあります。
その際に保証がない場合、治療を中断すれば高額な費用が無駄になる可能性があります。
逆に、途中解約や転院時のサポート体制が整っているクリニックなら、想定外の状況が起きても焦らなくて済むでしょう。
契約前には必ず「途中でやめる場合の取り扱い」について確認し、安心して治療を続けられる環境を選ぶことが重要です。
マウスピース矯正が向いている人・向いていない人の見分け方

マウスピース矯正は手軽で人気のある治療法ですが、すべての症例に適応できるわけではありません。
ここでは、マウスピース矯正に向いている人と向いていない人を見分けるためのポイントを整理して解説します。
軽度の叢生・隙間・出っ歯の判断基準
マウスピース矯正は、歯を大きく動かす必要がない軽度の症例に特に向いています。
- 叢生(歯の重なり):重なりが2〜3mm程度までなら対応可能ですが、4mm以上の重度になるとワイヤー矯正が必要
- すきっ歯(隙間):軽度の隙間であれば短期間で改善可能ですが、大きな隙間では追加治療が必要
- 出っ歯(上顎前突):軽度であればマウスピースで対応できますが、骨格的な要因が大きいケースでは適応外になることも
このように、マウスピース矯正は見た目を整えるには十分効果的ですが、歯並びのズレが大きい場合や噛み合わせに問題がある場合は適していません。
自分の症例がどの程度に当てはまるかを把握することが、正しい治療法選びの第一歩となります。
装着時間を守れるライフスタイルか
マウスピース矯正は、1日22時間の装着が成功の条件です。
これを守れないと歯が計画通りに動かず、治療期間が延びたり効果が得られなかったりします。
たとえば、外食や会食が多く食事のたびに歯磨きが難しい人、装置の着脱をつい忘れてしまう人には負担が大きくなりやすいでしょう。
逆に、自己管理が得意で毎日の生活リズムが安定している人なら、無理なく続けやすい治療方法といえます。
自分の生活スタイルと照らし合わせ、「装着時間を確実に守れるかどうか」を冷静に判断することが大切です。
総予算と治療期間のバランス
マウスピース矯正は比較的短期間で効果を実感できる治療法ですが、費用は30万〜100万円と幅があります。
部分矯正なら3〜6ヶ月で30万〜50万円程度、全体矯正では6ヶ月〜1年で60万〜100万円が目安です。
短期間で見た目を整えたい人には部分矯正が向いていますが、噛み合わせまでしっかり改善したい場合は全体矯正が必要となり、費用も時間も増えます。
「どの程度の改善を求めるのか」「自分の予算と期間の許容範囲はどこまでか」を整理しておくと、無理のない治療計画を立てやすくなります。
まとめ
この記事では、マウスピース矯正の特徴やデメリット、費用面での注意点、さらに日常生活への影響やリスクについて解説しました。主なポイントを整理すると次の通りです。
- マウスピース矯正は軽度〜中程度の症例に適応しやすいが、重度の歯並びや骨格的問題には不向き
- 1日20〜22時間の装着や食事・口腔ケアの手間など、自己管理の徹底が必要
- 費用は30万〜100万円が目安で、保険適用外のため全額自己負担
- 症例や生活スタイルによって向き不向きがあり、治療の成果に大きな差が出る
- 信頼できるクリニック選びが、後悔しないための最も重要なポイント
マウスピース矯正は便利で魅力的な選択肢ですが、誰にでもおすすめできる治療法ではありません。
まずは無料相談やカウンセリングで自分の症例が適しているかを確認し、複数のクリニックで比較検討することが大切です。
中でも Oh my teeth(オーマイティース) は、原則通院不要で24時間LINEサポートを利用できるため、忙しい社会人でも安心して続けやすい体制が整っています。
矯正を始めるか迷っている段階でも気軽に診断を受けられるので、まずは専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
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