「せっかく高いお金と時間をかけて矯正したのに、歯並びが元に戻ってきた」
「後戻りしたら、またあの痛くて長い治療を繰り返すしかないの?」
こんな不安や焦りを感じていませんか?
歯列矯正後の「後戻り」は、残念ながら誰にでも起こりうる現象です。
後戻りの原因はリテーナーの使用不足だけではありません。無意識の癖や親知らずなど、あなた自身も気づいていない要因が隠れていることもあります。
そこでこの記事では、矯正の後戻りの原因とレベル別対処法、予防策について解説します。
矯正の「後戻り」とは?

矯正の「後戻り」とは、整えた歯並びが再び元の乱れた状態に戻ろうとする現象を指します。残念ながら矯正治療後の多くの患者さんに起こり得る、自然な体の反応です。
矯正治療によって歯を動かすと、歯の周りにある歯根膜や歯茎、骨などの組織も変化します。しかし、これらの組織は弾力性があり、移動した歯を「元の慣れ親しんだ位置に戻そう」とする力を常に発生させます。
組織が安定するまでの期間は、治療完了後から約2年間が一般的です。この時期にリテーナーの使用を怠ると、歯の周囲の組織が元の位置へ引っ張る力に負けてしまい、後戻りが始まってしまいます。
後戻りする4つの原因

多くの人が「リテーナーをサボったせいだ」と自己嫌悪に陥りますが、実はそれ以外にも原因が関わっているケースが多くあります。
リテーナー(保定装置)の使用不足
後戻りの原因の9割以上は、リテーナー(保定装置)の不使用にあると言われています。
矯正治療が終了しても、歯が完全に安定するまでには通常2年以上かかります。最初の数ヶ月間は特に重要であるため、1日20時間以上の装着が必要です。
「もうきれいになったから大丈夫だろう」と自己判断で装着時間を減らしたり、リテーナーが破損・変形しているのに交換を怠ったりすると、歯は元の位置へ戻ってしまいます。
舌癖・歯ぎしり・食いしばりなどの習慣
リテーナーを真面目に使っていても後戻りしてしまう場合、以下のような歯に継続的な力がかかっている可能性があります。
- 舌癖:無意識に舌で前歯を前に押す癖。出っ歯の再発に直結します。
- 歯ぎしり・食いしばり:睡眠中や集中している時に行われることが多く、歯列に強い横向きの力を与えます。
- 頬杖、唇を噛む癖:一部の歯に継続的に圧力をかけ、歯並びを歪ませる原因となります。
これらの習慣は、後戻りを引き起こすことが多いため、再治療と並行して改善する必要があります。
親知らずの生え方や加齢による変化
親知らずは、後戻りを招く物理的な要因の一つ。
親知らずが横向きや斜めに生えてくると、その圧力で前方の歯が押し出され、下の前歯の重なりやガタつきを引き起こしやすくなります。
また、加齢とともに歯を支える骨や歯茎の変化は避けられません。矯正経験の有無に関わらず、歯列は自然と動きます。リテーナーを長期的に使用することで、この変化を抑えることができます。
治療計画や矯正後の噛み合わせの問題
稀なケースですが、矯正治療計画自体に原因があった可能性も考えられます。
例えば、抜歯の必要性があったのに非抜歯で進めてしまいスペースが足りなかった場合や、噛み合わせの最終調整が不十分で、一部の歯に強い負担がかかっている場合などです。
再矯正を行う際は、前回の治療の反省点を踏まえ、奥歯を含めた噛み合わせ全体を安定させる計画を立てることが重要になります。
後戻りのレベル別チェックポイント
後戻りの症状は人によって異なり、対処法も変わってきます。鏡を見て、ご自身の歯並びがどのレベルに該当するか確認してみましょう。
| レベル | 見た目の変化のサイン | 影響しやすい歯 | 主な対処法 |
|---|---|---|---|
| 軽度 | 前歯のわずかな隙間、またはわずか1〜2mmの重なり。笑ってもほとんど気づかない程度。 | 上下の前歯6本 | リテーナーの調整・再作製 |
| 中等度 | 前歯に明らかな隙間や重なりが生じ、笑顔の印象に影響が出始める。 | 上下の前歯6本 | 部分矯正(マウスピースが多い) |
| 重度 | 前歯だけでなく奥歯の噛み合わせにも問題が生じている。顔貌の変化を感じる場合も。 | 全ての歯(前歯・奥歯) | 全体矯正 |
後戻りに気づいた時点で、まず既存のリテーナーが使用できるかを確認します。多少きつくても装着可能であれば応急処置として使用することで悪化を防げます。
歯科医師への相談は後戻りに気づいた時点で速やかに行うことが重要です。
矯正後に後戻りが起こったときの対処法

後戻りに気づいた場合、「どこまで戻ったら再治療が必要なのか」と迷うかもしれません。対処法は後戻りのレベルによって異なります。
【軽度の場合】リテーナーの調整・再作製
軽度な後戻り(1〜2mm程度のわずかなズレや隙間)であれば、歯を再移動させる必要はありません。
既存のリテーナー(特にマウスピース型)を長時間、再び装着し直すことで、ゆっくりと歯を正しい位置に戻すことが可能です。ただし、リテーナーが全く入らなくなっている場合は、現状の歯型に合わせて新しいリテーナーを再作製する必要があります。
【中等度の場合】部分矯正
前歯に明らかな乱れが生じた中等度の後戻りには、部分矯正が選択肢となることが多いです。
部分矯正は、主に前歯6~8本(笑った時に見える範囲)のみを動かす治療です。全体的な噛み合わせの大きな改善はできませんが、見た目の回復は期待できます。
治療範囲を限定するため、初回の矯正と比べて費用や期間の負担を抑えやすいのが特徴でしょう。
部分矯正で用いられる代表的な装置には、マウスピース矯正とワイヤー矯正があります。
| マウスピース矯正 | ワイヤー矯正(表側矯正) | |
|---|---|---|
| 治療期間目安 | 2ヶ月〜12ヶ月 | 2ヶ月〜12ヶ月 |
| 費用目安 | 10万円〜40万円 | 30万円〜60万円 |
マウスピース矯正は、以前の全体矯正で装置装着に抵抗があった方に有効な治療法です。透明な装置のため、治療中であることがほとんどわかりません。
ご自身で取り外しができるため食事や歯磨きは普段通りに行えますが、効果を得るためには決められた装着時間を守る自己管理が求められます。以前の治療でワイヤー装置の見た目が気になった方にも選ばれています。
ワイヤー矯正は、歯の表面に装置を付けて歯を動かす治療法です。幅広い症例に対応できるのが特徴で、装置は歯科医師でなければ取り外せません。
どちらの方法が適しているかは、後戻りの状態やライフスタイルによっても異なります。
【重度の場合】全体矯正が必要となるケース
後戻りが進行し、奥歯を含めた噛み合わせ全体に問題が生じている場合は、全体矯正が必要です。
歯を支える骨格的な問題が再発していたり、顎関節に痛みが出たりしている場合は、根本的な噛み合わせの改善なくして安定した歯並びは得られません。この場合も、マウスピース矯正(インビザラインなど)またはワイヤー矯正を選択することになります。
矯正後に後戻りをさせない3つの予防策

せっかく再矯正が成功しても、以前と同じ生活習慣やリテーナー管理を繰り返していては、再び歯が動いてしまいます。二度と失敗しないための維持方法を解説します。
リテーナーを正しく使用する
リテーナーは矯正期間と同じか、それ以上の保定期間が必要です。特に最初の3〜6ヶ月は、食事・歯磨き以外の1日20時間以上の装着を徹底しましょう。
リテーナーにヒビが入ったり、フィット感が悪くなったりしたら、すぐ歯科医院に連絡し、新しいものを作り直してください。
お口周りの癖を改善する
後戻りの原因が、無意識に行っている舌の癖や歯ぎしりにある場合、装置による固定だけでなく、その習慣自体を見直すことが欠かせません。
例えば、舌で前歯を押す癖がある場合、お口の癖を改善する「口腔筋トレーニング(MFT)」が必要になります。これは、舌を常に正しい位置に置くためのトレーニングです。舌の正しい位置は、上の前歯の付け根の少し後ろにある、少し膨らんだ部分を指します。このトレーニングを通じて、舌で前歯を押してしまう癖や、口呼吸の改善を目指します。
また、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりからかかる過剰な力は、歯並びを動かしてしまう原因の一つです。ナイトガードを装着することで、その力を和らげ、歯や顎への負担を軽くします。再矯正後のリテーナーとナイトガードを兼ねる装置が使用されることもあります。
定期メンテナンスを受ける
保定期間中も、3〜6ヶ月に一度は歯科医院で定期メンテナンスを受けることが重要です。
メンテナンスでは、リテーナーのフィット感と歯列の安定度をチェックします。万が一、後戻りが始まっていても、この段階で発見できれば治療が複雑化する前に対応できます。
まとめ
本記事では、歯列矯正で後戻りした場合の原因から、レベル別の対処法、再矯正の選択肢について解説しました。
後戻りは、リテーナーの使用不足だけでなく、舌癖や歯ぎしり、親知らずなど様々な要因で起こります。軽度であればリテーナーの調整で対応できますが、状態によっては部分矯正や全体矯正といった再治療が必要です。
もう一度矯正で失敗しないためには、後戻りの根本的な原因を突き止め、改善していくことです。
そして、治療後は歯科医師の指示通りにリテーナーを使用し、定期的なメンテナンスを継続することが大切です。
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