矯正のカウンセリングで数十万円の見積もりを受け取り、「これだけ噛みにくくて困っているのに、保険は使えないの?」と疑問に思っていませんか。歯列矯正の保険適用について調べると、「顎変形症なら使える」といった断片的な情報が出てきて、自分が該当するのか判断に迷うところです。
結論からいえば、歯列矯正が保険適用されるのは、国が定めた3つの限定的な条件に当てはまる場合のみです。この記事では、その3条件と指定医療機関の要件、保険適用時の費用目安、そして該当しない場合に費用負担を抑える現実的な方法までを整理します。
歯列矯正は原則「自由診療」
日本の健康保険は、病気やケガの治療を対象とする制度です。歯列矯正は多くの場合「見た目や噛み合わせの改善を目的とした治療」と位置づけられ、生命や健康への直接的な危険がある疾患の治療とは区別されるため、原則として保険適用外(自由診療)となっています。
「噛みにくさは機能の問題なのに」と納得がいかない気持ちはもっともです。ただ、制度上は「日常生活に支障をきたす特定の疾患・状態」に該当する場合に限って保険診療の枠組みが用意されている、というのが現在の仕組みです。まずはその「特定の条件」を正確に知ることから始めましょう。
保険適用になる3つの条件
日本矯正歯科学会の公表情報によると、矯正歯科治療が保険診療となるのは次の3つの場合です。
厚生労働大臣が定める先天性疾患に起因する咬合異常
唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)やダウン症候群など、厚生労働大臣が定める先天性疾患が原因で噛み合わせに異常がある場合は、保険適用の対象となります。対象疾患のリストは制度改定で追加されることがあるため、該当の可能性がある方は最新のリストを日本矯正歯科学会のサイトや指定医療機関で確認してください。
前歯・小臼歯の永久歯3歯以上の萌出不全
前歯や小臼歯の永久歯が3本以上、骨の中に埋まったまま生えてこない(萌出不全)ことが原因で噛み合わせに異常があり、歯ぐきを開いて歯を誘導する手術(埋伏歯開窓術)が必要な場合も、保険適用の対象です。
顎変形症(手術を要する場合)
上顎や下顎の骨格に大きなズレがあり、「顎変形症」と診断されて顎の骨を切る手術(顎離断等)を前提とした治療を行う場合、手術と前後の矯正治療に保険が適用されます。重度の受け口・出っ歯・開咬などで骨格のズレが大きいケースが該当する可能性があります。受け口の保険適用については受け口の矯正費用の解説記事でも詳しく紹介しています。
保険適用で治療するための2つの注意点
指定医療機関での治療が必須
保険適用の矯正治療は、どこの歯科医院でも受けられるわけではありません。厚生労働大臣が定める施設基準に適合した指定医療機関(矯正歯科診断料算定の指定機関や顎口腔機能診断施設)で受ける必要があります。該当機関は日本矯正歯科学会のサイトなどで確認できます。
装置に制限がある
保険適用の治療では、使用できる装置が基本的にワイヤー矯正(マルチブラケット装置)に限られます。透明なマウスピース矯正を保険で受けることはできない点は、知っておきたい注意点です。
保険適用時の費用目安
顎変形症の外科矯正を保険適用(3割負担)で受ける場合、手術・入院費を含めた自己負担の目安は30〜60万円程度とされています。また、1ヶ月の医療費が一定額を超えた場合には高額療養費制度の対象となり、負担がさらに抑えられる場合があります。詳細は加入している健康保険組合等に確認してください。
自分の骨格のズレが顎変形症に該当する程度なのかは、精密検査を受けなければわかりません。名古屋名駅矯正歯科では、歯型スキャンにもとづく診断で歯並びの状態を無料でご確認いただけます。骨格性の程度が大きい場合は、その旨と相談先の考え方をお伝えします。無料カウンセリングを予約する
該当しない場合の負担軽減策
実際には、多くの方の歯列矯正は保険適用の条件に該当せず、自由診療となります。それでも、負担を抑える方法はあります。
医療費控除を活用する
噛み合わせや咀嚼機能の改善を目的とした矯正治療は、医療費控除の対象となる可能性があります。1年間(1月〜12月)に支払った医療費が10万円を超えた場合、確定申告により所得税の一部が還付される制度で、通院の交通費も対象に含められます。矯正費用は高額なため、該当すれば還付額も相応になります。対象になるかの判断も含め、税務署や国税庁の案内で確認しましょう。
総額が明確なプランを選ぶ
自由診療の費用で見落としやすいのが、検査料・調整料・保定装置料などの積み上がりです。総額表示(トータルフィー制)のプランを選べば、後から費用が膨らむ不安を抑えられます。たとえば名古屋名駅矯正歯科で提供しているマウスピース矯正 Oh my teethは、上下前歯12本対象のBasicプラン(税込33万円・平均約3ヶ月)と上下前歯24本対象のProプラン(税込66万円・平均約6ヶ月)の全国一律料金・トータルフィー制で、追加費用が原則発生せず、精密検査・診断は無料です。通院は最低1回※です。
※通院回数は治療内容・個人の状態により異なります。治療期間は保定期間を除いた目安で、個人差があります。上記は自由診療(保険適用外)の標準的な費用(税込)です。治療には歯の痛み・歯根吸収・ブラックトライアングルなどのリスクを伴う場合があります。また、重度の歯周病や顎関節症など、お口の状態によっては治療を受けられない場合があります。
分割払い・デンタルローンを使う
一括での支払いが難しい場合は、デンタルローンやクレジットの分割払いで月々数千円台から始められる場合があります。分割回数が多いほど手数料で総支払額は増えるため、一括との差額を確認して選びましょう。
名古屋で保険適用の可能性を確認するには
骨格のズレが大きいと感じている方や、先天性疾患・萌出不全の可能性がある方は、指定医療機関(矯診・顎診)での診断を検討しましょう。該当機関は日本矯正歯科学会のサイトで地域から検索できます。「自分がどちらに該当するかわからない」段階なら、まず矯正歯科で歯並びと骨格の状態を確認してもらい、必要に応じて専門機関を案内してもらうのが現実的な順序です。
名古屋名駅矯正歯科では、歯並びの状態確認と治療選択肢のご相談を無料で受け付けています。歯並びの状態を無料で確認する
歯列矯正の保険適用に関するよくある質問
噛み合わせが悪ければ保険が使えますか?
噛み合わせの悪さだけでは保険適用にはなりません。先天性疾患・3歯以上の萌出不全・手術を要する顎変形症という3条件のいずれかに該当し、指定医療機関で治療を受ける場合に限られます。
子どもの矯正は保険が効きますか?
子どもであっても条件は同じで、一般的な歯並びの矯正は自由診療です。ただし、先天性疾患に起因するケースなどは保険適用となるため、気になる場合は小児矯正対応のクリニックで確認してください。
医療費控除ではいくら戻りますか?
還付額は「(医療費−10万円)×所得税率」が目安です。たとえば課税所得400万円(税率20%)の方が矯正費用80万円を支払った場合、(80万−10万)×20%=14万円程度の還付が見込めます。住民税の軽減もあります。正確な金額は税務署等でご確認ください。
まとめ|条件は限定的。でも負担を抑える道はある
歯列矯正の保険適用は、①厚生労働大臣が定める先天性疾患、②3歯以上の萌出不全、③手術を要する顎変形症、という3つの限定的な条件に該当し、指定医療機関で治療する場合に限られます。多くの方は自由診療となりますが、医療費控除・総額が明確なプラン選び・分割払いといった現実的な負担軽減策があります。「保険が使えないから諦める」前に、まず自分の状態と使える制度を確認してみましょう。
※本記事に記載の費用は、保険適用の記載がある場合を除き、自由診療における標準的な目安(税込)です。制度・対象疾患は改定されることがあるため、最新情報は日本矯正歯科学会・厚生労働省等の公的情報でご確認ください。


